職務経歴書

看護師の職務経歴書の書き方

職務経歴書は、看護師の経験・スキル・専門性を採用担当者に伝えるための書類です。履歴書がプロフィールなら、職務経歴書は実績書。書き方ひとつで「何ができる人か」が明確に伝わるかが決まります。本ページでは、看護師に特化した職務経歴書の構成・テンプレート・配属経験別の記入例まで詳しく解説します。

結論:職務経歴書は「数字」と「具体エピソード」で書く

  • 勤務病院ごとに「規模・診療科・配属期間」を明記
  • 担当患者数・配置基準・夜勤回数など客観的な数字を入れる
  • 業務内容は「〜できる」「〜の経験あり」で具体的に
  • 新人指導・委員会活動・研究発表など病院での貢献は積極的に書く
  • A4で1〜2枚に収める(長すぎは逆効果)
  • 応募先のニーズに合わせて強調ポイントを変える

看護師の職務経歴書 標準構成

項目内容
1. 職務要約これまでの経歴を3〜5行で簡潔に
2. 勤務先情報病院規模・病床数・診療科・配置基準
3. 配属歴と業務内容部署ごとに業務範囲・経験症例を箇条書き
4. 取得資格・スキル看護師免許+認定資格+医療スキル
5. 院内活動・委員会新人教育・委員会・勉強会発表など
6. 自己PR強み・志向性・応募先での活かし方

1.職務要約の書き方

採用担当者が最初に読む部分。経歴のハイライトを3〜5行で凝縮します。

記入例:「2015年に看護師免許を取得後、〇〇大学病院(病床数800床、急性期7対1)に8年間勤務しました。最初の3年間は外科病棟で術後管理を中心に経験を積み、4年目からICUに異動し、人工呼吸器管理・ECMO管理など重症患者の看護に従事してきました。新人教育担当として5名のプリセプターを務め、院内勉強会の運営にも関わりました。」

2.勤務先情報の書き方

同じ「看護師経験5年」でも、施設規模・配置基準で経験密度が大きく変わります。客観的な数字を必ず入れましょう。

  • 病院名・所在地(市区町村まで)
  • 病床数(〇〇床)
  • 標榜診療科(主要なもの)
  • 配置基準(7対1/10対1/13対1など)
  • 機能(急性期/回復期/療養型/専門病院)
  • 勤務形態(常勤・パート)と勤務期間

3.配属歴と業務内容の書き方

配属部署ごとに、担当業務と経験範囲を具体的に書きます。「〜できる」「〜経験あり」の形式が読みやすく、採用担当者が即戦力性を判断しやすくなります。

記入例(外科病棟)

  • 担当患者数:日勤7〜10名、夜勤15〜20名
  • 主な術後管理:消化器外科(胃がん・大腸がん・肝胆膵)、整形外科
  • ドレーン管理、創傷処置、ストマケア
  • 輸血・抗がん剤投与
  • 急変対応(BLS・ACLSプロバイダー)
  • 緊急入院・術後ICU移送への対応

記入例(ICU)

  • 担当患者数:1〜2名(重症度A・B)
  • 人工呼吸器管理(NPPV含む)
  • 循環器管理(A-line・CV・Swan-Ganzカテーテル)
  • ECMO・PCPS管理(補助役)
  • RRT(持続的腎代替療法)
  • ICUせん妄予防・早期離床ケア
  • 家族支援・終末期ケア

記入例(外来・クリニック)

  • 1日来院患者数:80〜120名
  • 採血・点滴・注射・検査介助
  • 診察介助・問診・トリアージ
  • 糖尿病外来:療養指導
  • 予約管理・電話対応・受付サポート

4.取得資格・スキル

  • 看護師免許(取得年月+免許番号)
  • 認定看護師(分野)/専門看護師(分野)
  • 特定行為研修修了(区分)
  • BLS・ACLS・PALS・JPTECなどプロバイダー資格
  • 糖尿病療養指導士・透析技術認定士など
  • 呼吸療法認定士
  • 普通自動車免許(訪問看護応募時に重要)
  • PCスキル(電子カルテ・Word・Excel)

5.院内活動・委員会

業務以外の活動は「組織貢献意欲」「リーダーシップ」「教育力」を示す重要な要素です。具体的な役割と期間を書きましょう。

  • プリセプター(〇年間、〇名担当)
  • 看護研究発表(テーマ・学会名)
  • 感染対策委員会・褥瘡対策委員会・医療安全委員会
  • クリニカルラダー(取得段階)
  • 院内勉強会運営・講師
  • 看護学生実習指導

6.自己PRの書き方

応募先のニーズに合わせて、強みを200〜400字で記述します。「強み→具体エピソード→応募先での貢献」の3段構成が基本です。

:「私の強みは、患者・家族と信頼関係を構築するコミュニケーション力です。前職のICUでは、終末期患者のご家族と毎日対話を重ね、患者の希望に沿った最期を迎えられるようサポートしました。意思決定支援に苦労した経験から、エンドオブライフケア研修にも自主的に参加し学びを深めています。貴院の緩和ケア病棟で、これまで培ったコミュニケーション力と急性期の医療判断力を活かし、患者様とご家族に寄り添える看護を提供したいと考えております。」

応募先別 強調ポイントの調整

応募先強調すべき経験
急性期病院ICU・救急経験、急変対応、専門資格
慢性期・回復期長期ケア、看取り、家族支援、リハ連携
クリニック・外来採血・処置、患者対応、効率的な業務遂行
訪問看護1人判断力、家族支援、多職種連携、運転
美容クリニック接客、丁寧な処置、清潔感、自己研鑽
産業看護師保健指導、メンタル対応、文書作成力

職務経歴書チェックリスト

  • A4サイズ1〜2枚に収まっているか
  • 勤務先ごとに病床数・配置基準が記載されているか
  • 「〜できる」「〜経験あり」で具体的に書いているか
  • 応募先のニーズに合わせて強調が調整されているか
  • 誤字脱字がないか
  • 職歴に空白期間がある場合、説明があるか
  • 自己PRが応募先に合わせて書かれているか(使い回しでないか)

よくある質問(FAQ)

Q1. 履歴書だけでは足りませんか?

履歴書はプロフィールしか書けないため、看護師の場合は職務経歴書を併用するのが標準です。応募要項に「職務経歴書不要」と明記されていない限り、提出した方が良い印象を与えます。

Q2. ブランクがあるときはどう書く?

ブランク期間とその理由(育児・介護・療養・自己研鑽など)を簡潔に明記します。「2020年4月〜2023年3月 育児のため離職」のような記載で十分です。

Q3. 経験が浅い(1〜2年)場合の書き方は?

経験症例数を具体的に書き、研修受講歴・自己学習内容も加えると分量が確保できます。学生時代の実習経験を詳しく書くのも有効です。

Q4. 同じ病院で複数部署を経験した場合は?

部署ごとに「期間・業務内容」を分けて書きます。異動の理由が「ローテーション制度」や「希望異動」の場合、それも添えると組織内評価が伝わります。

Q5. 派遣・単発バイトはどう書く?

派遣会社名と主要な派遣先・業務内容をまとめて記載します。例:「2022年〜2023年 〇〇派遣会社にて健診応援、ワクチン接種会場勤務(複数施設)」

Q6. 数字(担当患者数)が思い出せません

正確な数字でなくても「日勤7〜10名」のような幅で記載して構いません。配置基準(7対1など)から逆算する方法もあります。

まとめ:職務経歴書は「自分の市場価値」を可視化する書類

職務経歴書は単なる経歴の羅列ではなく、「自分が応募先でどう貢献できるか」を示す営業資料です。応募先ごとに調整し、自分の強みを最大限に伝えましょう。